理想と現実の狭間

■メモ
もし本当に全てのブラウザがW3C勧告を再現できる実装がなされているのであれば、という現実的な条件を忘れている。
http://folio.daa.jp/02/168/index.html

この中の作例である下記ページは少なくともWindows IE6.0では例示されたとおりに表示される。
http://folio.daa.jp/02/168/img/scenario.html
しかしまた、少なくともMozilla/5.0 (X11; U; Linux i686; en-US; rv:1.4) Gecko/20030624では表示が破綻する。そういう意味でプラクティカルな内容ではない(想定していないブラウザだろうけど)。デザイナーはオーディエンスの使用するブラウザまではコントロールできないからだ。
W3C準拠を原則としても、実際にコーディングに用いるものは、利用されることが想定される全てのブラウザにおいて期待する(あるいは許容できる)表示を実現できる、いわば最大公約数的な仕様に限定するのが好ましいと考える。
(FAQのNo1に近い)
たしかに趣味でウェブのヴィジュアルをデザインするのであれば、HTML+CSSの制約の中でだけ実現できる形だけにとどめることも許されるだろう。ブラウザの仕様を甘んじて受けるべきという姿勢も許されよう。しかし、クライアントを持つ仕事としては、それでは食っていけないこともある。(逆にブラウザを指定することもできたりするのだけど)
クライアントの意向ではなく、自分の理想を優先させるのであれば、それはプロのデザイナーではなく、アーティストと呼ばれるべきだろう。