オプトアウトなんてしない。ただ消えていくだけ

■「HTMLメールを拒否する人は少数に」という記事。無邪気だと思う。自分について言えば、拒否を通知したりしない。拒否の通知そのものがマーケティングの材料に使われて、結局別のメールを招くだけだろうという漠然とした偏見があるので、単に捨てている。

 他にもそういう判断をしている人はいるのではないだろうか。調べたこともないけど。

 自分のメーラーは、受信したメールは全て「ゴミ箱」に一旦保存されるように設定している。その上で、知人のメールアドレスや、通販サイトの取引通知用アドレスなどについては専用のフォルダに分配するようなフィルタリングを設定している。

 メールアドレスを元に受信拒否をするような設定はしていない。キリが無いからだ。フィルタにひっかからなかったメールはゴミ箱に残るので、さらにこちらの興味を引いて、別途保存用フォルダに移動されない限り、メールは自動的に削除される。HTMLメールだろうとなかろうと、未開封のまま消えていくメールは少なくない。

 オプトアウトなんてしない。送りたければ送ればいい。読まないだけだ。

 このメーラー設定はホワイトリスト方式に似ていると言って構わないと思う。違うのは、メーラーが全て受信してしまう点で、ただし、「受信フォルダ」ではなく「ゴミ箱」フォルダという一種の検疫所で溜めるようにすることで、受信フォルダが不要なメールであふれ返ることを防いでいる。

 メーラーによるブラックリスト方式、つまり、クソみたいなメールを送信してくるアドレスリストを元に、自動的に「ゴミ箱」へ移動させる方式は、遅かれ早かれ破綻する。作成可能なメールアドレスの数はほぼ無限であるため、ユーザーはブラックリストを永遠にメンテナンスし続けなければならなくなる。

 これに対してホワイトリストは、つまり、保存対象にするアドレスは、ブラックリストほどには増加しない(だろう)。もちろん、この方式では発信元を偽装するメール、例えばウィルスメール、などはすり抜ける。そちらの対策は、メーラーの設定ではなく、ワクチンソフトで処理させている。

「ゴミ箱」という検疫所というか入管所のような場所に一旦メールを収めてしまう方法は、手軽で、面倒もない(不要メールを手動で削除する手間がいらない)冴えたやり方(たったひとつの、とは言わない)だと思ったのだけど、人に話したら「ひでえ奴」と言われてしまった。

 デフォルトでメールを「ゴミ箱」に入れるというのが人倫にもとると思われたらしい。「ゴミ箱」フォルダの名称を「入管フォルダ」に変更したらオッケーなのかしらん。

 それはそれとして、この手法、便利なのだけど、ちょっと欠点があるとすれば、残すべきメールを保存フォルダに移動させておかないと、他のゴミメールと一緒に消してしまう可能性がある点。SPAMメールがずらりと並ぶ中から大事なメールをサルベージするのは確かに面倒で、そこが難点といえば難点。後々もそのアドレスからメールが届くのなら、フィルタに登録すればよいのだけど、一回限り、というメールもあるだろうし。

 さて、具体的な設定方法ですが、自分の場合はこんな感じでフィルタ設定をしています。

1)保存対象アドレスについては専用フォルダに移動させる定義をする。

2)'@'を含むアドレスは「ゴミ箱」に移動させる。

 つまり、受信完了時に「受信フォルダ」にメールを一通も残さないようにする、というのが基本的な線となるわけです。(2)のルールがミソで、もしおかしなメーラからのメールでホスト名が無いようなアドレスからも届くようであれば、ヘッダに'To:'項目があるものを対象にする、といった設定が考えられます。

 とにかく、全部「ゴミ箱」に入れてしまえ(って言うから、ひでえ奴って言われるんだろうなあ)。

 というわけで、最初に戻るわけですが、拒否されていないからといって、受け入れられていると思うなEメールマーケッター。HTMLメールが受け入れらていると思いたいのであれば、テキストメールを使って、HTMLメールの送信設定をユーザーに依頼した方がいい。

 ここに書くより直接HTMLメールで教えてやれよ、という話なわけですが。もちろん。