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あれは母親の支配下にある娘が自立する物語だ。そしてまた少年が娘の収まる繭を壊す物語でもある。その繭は、例えば押井が「天使の卵」で割った卵であるし、「ビューティフル・ドリーマー」で終わらせてしまった夢でもある。別に押井作品を引き合いに出さなくとも、あれはボーイミーツガールの(現実世界にも共通する)一つの祖形であって、そしてその完成度の高さとアレンジのオリジナリティは評価されておかしくない。