美術館がミュージアムショップを持たなくても経営が成り立ちますように。

股引きになりますが、コリン・ドクトロウからの引用にある「とるに足らない絵葉書」
http://d.hatena.ne.jp/yomoyomo/20080320/photo
天文台と美術館では予算構成もボリュームも違うだろうし、というのはあるにしても公的予算が潤沢に与えられていたら、別に絵葉書を売る必要もないだろう。
たとえば都現美
http://apm.musabi.ac.jp/imsc/cp/menu/museum/GENDAI/interview.html
このインタビュー記事は2000年だから、今は事情が違うかもしれない。都現美のチケットは大人でだいたい2000円。億単位の予算を自前で賄うとしたら、単純に収入だけでみれば10万のオーダーで入館者が求められて、実際には運営経費がかかるから、それ以上の入館者が無ければ購入予算は組めないし、美術館が購入できなくなると、アーティストの収入も怪しくなってくる(んじゃないのか)。誰だって食べなきゃやってけないんだから。
2001年の「奈良美智」展では、横浜で9万人、地元弘前で6万人。立ち上げ時に2500万必要で、800万が個人寄付で集まってそれでスタートを切れたというのが青森県美術館の当時の実情だった、という。インタビュー記事中にもあるけれど、弘前でのべ6万というのは対人口比で35%。撮影許可となったのは、そういう地元との関係もあったからではないのか。
http://apm.musabi.ac.jp/imsc/cp/menu/museum/aomori/interview.html
入館者を呼び込むためにはネームバリューのある作品を買うなり借りるなりすればよいのだろうけど、そういう作品がただで借りれるわけもなし。競争相手は他の美術館だけではなくて、個人のコレクターも多いのだから。
http://apm.musabi.ac.jp/imsc/cp/menu/collector_artcritic_journalist/hujihara_erimi/interview.html
コリン・ドクトロウがあんなこと言うのは、きっと公的な博物館には多額の寄付をよせていて、商売する必要なんてないのにという思いがあったからなんだろうな。