解きほぐすとき、他

今週末は東京に戻ったので、都現美と森美を回った。

解きほぐすとき、は前回に比べるとこじんまりとしていたけど、面白かった。彦坂敏昭の加工されたデジタル画像をアナログ絵画へ転写した作品は統合失調症患者の描いた猫を髣髴とさせたり。寄って観るとただの色彩の乱舞にしか見えないのだけど、数メートル下がると元の画像がぼんやりと見える。ゲシュタルト認識というやつですな。他は手塚愛子の織物工芸品を解体し隠れていた構造を表に出して別種の工芸品に加工してしまった作品にはとても惹かれました。
並列して「通路」展があったのですが、最初なんだかよく解りませんでした。「通路」そのものが展示作品になっていて、ぐるぐる回遊することになるんですが、順路があってないようなものなので、いつの間にかオフリミットに入り込んでいました。

森美は「アートは心のためにある」展。近現代美術って言ってしまっていいのかどうか。「アートは心のためにある」 でも、ついつい作品に付随する情報や、作品を見た事実だけの収集で満足してしまいそうになる。でも惹かれたのはUBSアート展の方よりも、並列展示されていた森美コレクションの方だったりして。「箱舟」という細密画が展示されていたのですが、それを見たあと、スカイビューから東京の景色を見下ろすと感慨深いものがありました。