東京藝術大学 卒制展・修了展


先週回れなかった先端芸術表現科、メディア映像専攻の方へ。明日が最終日。BankArtNYKと新港校舎へ。

新港校舎は遠い。そして寒い。新港校舎の展示はメディア映像で、技術先行という感じがしてなんとなくICCチック。表現手段とコンテンツがうまくマッチしていないような感じがあったり、どこかで見たことがあるような感じがしたり。鏡を使って2つの空間を合成して見せるビデオ作品が面白かった。ビデオ合成でも作れる映像だと思うのだけど、カメラを振り子にして撮影しているので画面が大きく揺れていてその効果が面白かった。ポストプロダクションでカメラを消してしまったらよかったのに。カメラが鏡に映るので舞台裏が解ってしまう。

BankArtNYKは人がいっぱい。先週のZAIMはあんまり人がいなかったのに。でも若い人ばかりでなんか気後れするんだよね。ここでは1F奥にある昆虫をモチーフにした作品がとても印象的。2つの遮光された空間から構成されていて、入り口側では足元に昆虫の骸が転々としている。次に控える空間では天井に昆虫の影が揺れている。その影はオーディエンスの目線の高さに吊るされたガラステーブル上に置かれたオブジェが床に置かれたスタンドライトに照らされることで作られているのだけど、そのオブジェそのものが小さな氷山が溶けたようで美しい。夏虫の記憶の結晶か、あるいは五分の魂か。