妄想コイル

大黒市の電脳騒動は大規模な物理フォーマットの強制執行により終息した。「原初コイルス」を巡るメガマス社のタスク終了によりヤサコの父は出向解除となり、ヤサコもまた大黒小学校の卒業式を終えてすぐに金沢へ戻ることとなった。引越しの慌しさの中でイサコに会えないまま金沢へ戻ることとなったヤサコは電車の中からメールをイサコへ送る。
イサコはそのメールを大黒市図書館の中で受け取った。メールを読んだイサコは慌てて図書館の外へ飛び出す。しかし、そこにはイサコの隙を伺っていたタケルがいた。タケルはヌル騒動の中で廃人となってしまった兄の仇とイサコに暗号攻撃を仕掛ける。咄嗟に暗号で反撃をかけるイサコだったが、その行為が致命的となった。心臓発作を起こし、図書館前の階段に座り込んでしまう。
薄れ行く意識の中、イサコはヤサコのメールを呼び出し、最後まで読み通すと息を引き取る。しかし、その顔には2クールの間一度も見せたことのない穏やかな笑みが浮かんでいたのだった。
‥‥みたいな話になりませんように。