こいるに関する幾つかのこと

ああそうか、「古い空間」というのはバージョンのことではなくて、再開発の入る前の空間情報のことなのか、というあたりに気づけば、メタバグに持たされている作話上の意味も見えてくる。古いものと「今」のギャップ(というかリンボー?)、境界・マージナルという点で言えば、小学6年生である彼らも子供時代を終わろうとしている境界に入ろうとしている。女性であるヤサコやイサコは別の意味でも否応無くそのことを認識する(している?)ことになる年頃だ(作品中で言及されるかどうかはともかくとして)。作品中の日程が現在、夏休みの直前(黒板の日付は7月)というのも故無きことではないのだろう。
「郷愁にも似た青を少し漂わせた 切ないほど透明な胸の水晶は 今でもライムの声を聞く」というのは'So What?'(わかつきめぐみ)の末尾を飾るモノローグだが、メタバグもその水晶に類するものなのではないかという予感がしている。してみれば、イサコが求めているものは、(オーソドックスなフォーマットに載っているのであれば)おそらく苦い結果になるのではないかとも思う。
違うかな。どうかな。